Greetings
from
the
President
理事長挨拶
YOTARO NITTA

2023 JCI TOYAMA President
YOTARO
NITTA
新田 洋太朗
そこへゆけ
ビジョンが形になる未来へ
公益社団法人 富山青年会議所 2023年度(第72代)理事長の新田 洋太朗です。
私たち富山青年会議所は、富山市・船橋村・上市町・立山町を活動エリアとし、
明るい豊かな社会を目指して“ひとづくり”や“まちづくり”に取り組んでいる団体です。
1952年の創立以来、「奉仕」「修練」「友情」の三信条のもと、
多くの傑出した人材を育て、
より良い地域社会づくりに尽力して参りました。
2023年度は『そこへゆけ~ビジョンが形になる未来へ~』のスローガンのもと、
勇気をもって決断し未来を切り拓くことができる人材の育成や、
まちのあらゆる主体が創造性を発揮できるプラットフォームの創出を行うべく運動・活動を展開しています。
先の見通しづらい時代にある今だからこそ、まち、組織、ひとが
それぞれのビジョンを鮮明に描き、それを形にするために一歩を踏み出すことが
大切だと考えています。
富山青年会議所はまちに開かれた団体を目指し、公開例会、市民討議会、
まちづくり事業など、
市民・町民の皆様にもご参加いただける事業を
積極的に開催しております。
ご案内の折には是非ご参画をいただき、様々なご意見やご助言を頂戴できれば幸いです。
また、富山青年会議所では共に運動・活動をする会員を募集しています。
私たちと切磋琢磨し、まちのために汗を流し、
とやまの未来を担う
「まちの青年のリーダー」へと共に成長しましょう。
公益社団法人 富山青年会議所 2023年度 第72代理事長
President’s belief
理事長所信
はじめに
「世界の歴史を繙くとき青年の残した足跡は実に偉大であります。それは理想と実行を結合する情熱が青年にのみ與へられた特権だからであります。」(設立趣意書)
1952年、戦後間もない混迷の時代の中、祖国の復興と経済の発展、平和でより良い社会の実現を目指し、富山県内の52名の青年が固い友情のもと富山懸青年会議所を設立しました。以来70年間にわたり、私たちの先達は高い理想と溢れる情熱をもち、明るい豊かな社会をつくるために力を尽くしてきました。
新型コロナウィルス感染症の拡大、緊張が絶えない国際情勢、気候変動をはじめとする地球環境問題、都市部への人口移動と経済格差の拡大、変化の波が重なる加速度的な技術の革新など、今私たちは再び混迷ともいえる時代に身を置いています。
ひとつの課題を解決しても次々と新しい課題にぶつかる、こうした複雑な時代において、誰もが納得できる100%の正解は存在しません。正解を教えてくれる人もいません。すなわち私たちには、自らの頭で考える思考力、自らの意志にもとづき決断する勇気、そしてその決断を信じて未来を切り拓く強いリーダーシップが求められています。
私たち富山青年会議所の会員は、その一人ひとりが、このとやまの「地域の青年のリーダー」です。なぜならJCは、青年が社会により良い変化をもたらすための発展と成長の機会を提供することをミッションとしている団体にほかならないからです。私たちは、純粋なまでに理想を追い求め、答えのない社会課題に日々真剣に向き合い、地域のために誰よりも率先して行動することができる尊い仲間の集まりです。
このとやまの先頭に立ち、地域社会を良くする運動を起こすことができるリーダーは間違いなく富山青年会議所にいる私たちです。こうした時代だからこそ、私たちの手で「理想と実行を結合」したJC運動を打ち立てましょう。その運動は地域の様々な課題を解決し、明るい豊かな社会に向けて時代を切り拓く力となっていくと信じています。
あのときの未来はどこにいった
宇宙飛行士になりたい。F1を作りたい。ロックバンドで武道館に立ちたい。かつて私が大人になる前に描いていたいくつかの夢がありました。夢に一歩でも近づくにはどうすればいいか。起きている時間はそればかりを考え、時間を惜しまず宇宙や自動車の本を読み、夜を徹してギターの練習をしていました。あのとき見ていた夢は、誰のものでもなく、確かに「自分の未来」でした。
時がたち、大人になった今、宇宙はニュースで見るだけのものになり、自動車はただの移動の手段になり、ギターは部屋の隅でホコリをかぶった姿でこちらを見ています。時折、自分の中にいる誰かが「あのときの未来はどこにいった?」そう問いかけてきます。答える言葉は見当たりません。
私はいつの間にか、夢や理想を追いかける日々から遠ざかった大人になりつつありました。昔のような大きな夢はありませんが、人の役に立つことのできる仕事があり、家族や友人のために使える自由な時間があり、一家を支えることのできる実入りがある。とりたてて不自由のない暮らしが手に入った自分になんとなく及第点を付け、普通だけれど幸福な人生なのだと自分に言い聞かせていました。JCと出会うまでは。
地域の未来が重なった
2018年に富山青年会議所に入会し、私の価値観や行動原理はすべて変わりました。富山青年会議所の会員は、常に地域の様々な課題を探し出し、決して現状に満足することなく、地域を、社会をより良くするためにJC運動に情熱を注いでいました。自分もあんな人になりたい。そう心から思い、尊敬する会員や先輩の背中を追い続け、気づけばこの団体で運動・活動を牽引する立場に導いてもらっていました。
私はJCで過ごしたこの5年間で、地域には自分に見えていなかった課題が多くあることを知りました。そしてその課題を解決するために、仲間と力を合わせることの素晴らしさを知ることができました。気づけば、地域のため、自分や家族だけではない、誰かのために時間を使う日々が当たり前になっていました。私はJCに、公の益すなわち「公益」という言葉の意味と、それを実践することの大切さを教えてもらいました。
そして、このJCでの日々を通して、私はいつしか大きな「理想」をもつことができるようになりました。それは、私を育ててくれた地域のために、大好きな仲間のために、大切な家族のために、これから夢をもち育っていく子どもたちのために、このとやまを「みんなが幸せで持続可能な地域にする」という理想です。JCに出会っていなかったとしたら、私はおそらく、自分と周りの人が幸せならそれでいいと考えていたかもしれません。この5年間で、JCは「地域の未来」を、私の「自分ごと」へと確かに引き寄せてくれました。私は再び、誰のものでもない「自分の未来」を取り戻すことができたのです。
私たち富山青年会議所の会員は、愛するとやまの地域のために、未来を生きる誰かのために日々種をまき、汗を流しています。私たち一人ひとりが「地域の未来」を「自分の未来」に重ね、もてる力のすべてを運動・活動にぶつけることができれば、必ずや富山青年会議所にしかできないJC運動が起こせるはずです。
ビジョンとともに歩き出そう
人間の脳は太古の時代に形成されたまま、基本的な構造は変わっていません。それゆえ私たちは目の前にあることを優先する習性が備わっており、長期的な視野でものごとを考えたり想像したりすることが苦手だといえます。それに加え、近年の加熱した市場主義経済、テクノロジー発展の加速、溢れる情報の波、多忙な日々の中に置かれていることで、私たちはさらに近視眼的になりつつあるのではないでしょうか。
こうした時代の中で、JCは「明るい豊かな社会」をつくることを理念として運動・活動を行っています。しかし、「明るい豊かな社会」は、いってみれば期限設定のない遠い先の未来であり、これを「自分の未来」、「自分たちの未来」として捉え、追い続けることは難しいといえます。しかし、私たちはそれに近づくために確実に前進する術をもっています。それが中期ビジョンです。
2023年度は、創立70周年を機に掲げた中期ビジョン「JCI TOYAMA 2022中期ビジョン」とともに新しい10年をスタートする年です。中期ビジョンとは、もしかしたら遠い未来かもしれない「明るい豊かな社会」というJCの長期ビジョンを、5年や10年という期間に分解し、地域のありたい姿を具体的に掲げたものです。この中期ビジョンによって、単年度制であるJCが「明るい豊かな社会」に向けて絶え間なく前進することが可能になります。中期ビジョンは、理想とする「とやまの未来」を、今を生きる私たちのもとにぐっと近づけてくれる存在なのです。
私たちは、地域に対する情熱が詰まったこの中期ビジョンを旗印とし、それに向けた具体的な運動・活動の実践へと繋げていくことが求められています。地域の青年のリーダーである私たちJC会員が、中期ビジョンに掲げる理想の地域の姿を自分の言葉で語ることができるようになり、その想いを乗せた運動・活動を力強く拡げ、地域のパートナーや市民の共感を生むことができれば、私たちの描いたビジョンを、より良い地域の姿として結実させることができます。この新しい中期ビジョンを携え、理想の地域に向かってともにスタートを切りましょう。
個が創造性を発揮できるまちづくり
現在、世界を見渡すと、都市部への人口の移動が激化しており、メガシティと呼ばれる巨大都市が次々と増加しています。日本においても東京をはじめとした大都市への一極集中はとどまるところを知りません。都市部への人口集中は、限りある資源の効率的な利用、生産性の向上、生活の利便性の向上など、ポジティブな側面が多くあります。しかし一方で、人口の流出が続く地方都市においては労働力や経済力が減少し、各地の多彩な商業・産業や地域の活力が失われていくことが懸念されています。こうした中、中規模地方都市であるとやまも例外ではなく、地域社会を維持していく上での様々な課題に直面しています。
映画やテレビの誕生以来、世界では長らく、資本力のある巨大な媒体がトレンドを生み出す時代が続いてきました。しかし近年では、ブームを生み出すのはインフルエンサーをはじめとする信頼された個人にとってかわりました。これの意味するところは、現代の人は、世の中の大多数のために作られたものを求めなくなったということです。
これはわたしたちの住む地域に対しても示唆するところがあると考えます。人が生活する上でのニーズ、魅力的だと感じる文化、人との関わり合いの濃淡などは、地域に住む市民それぞれに異なってきています。すなわち、すべての人にとって住みよい地域をつくることは極めて難しい可能性があるということです。私たちJCがまちづくりを進めようとするときも、漠然と大多数の市民に向けられた運動の手法では地域の一人ひとりの共感を呼ぶことは難しい時代になっているのではないでしょうか。
これからの時代のまちづくりにおいては、行政や経済団体や企業などの誰かが主導してコンテンツをつくるのではなく、一人ひとりの「個」が個性を活かし、創造性を発揮できる場をつくり出すことがもっとも重要だと考えます。地域に住む市民、商売を営む人々、さらには地域に訪れる関係人口など、すべての主体がクリエイターのように思い思いにコンテンツを生み出し、それらの集合体が地域を彩り、さらには経済の好循環を生むプラットフォームをつくることができれば、それが地域の魅力を持続的に高めていく起点となります。
とやまにはそのポテンシャルがあります。豊かな自然とそれらがもつ資源、伝統に裏付けられた価値の高い有形無形の文化、他地域の観光客を喜ばせる多彩な食など、アイディアと工夫によって驚くような輝きを放つ宝物が豊富に存在します。JCが繋ぎ役となり、行政、民間企業・団体、店舗、事業者、クリエイター、さらには地域の外の方々とも多彩なパートナーシップを構築し、いかなるアイディアや挑戦をも包み込み、輝かせることができるプラットフォームをつくり出しましょう。これにより、地域のありとあらゆる主体の創造性を輝かせるまちづくりを進めることができれば、他にはないただひとつの地方都市とやまをつくることができます。
自分の意思で歩める次世代に
世の中には数々の仕事があり、人の数だけ生き方の形があります。ITの普及によって仕事の種類や働き方はさらに多様になっている一方で、テクノロジーの急速な進化により、数十年後には現在ある仕事の半分近くがロボットやAIの手に渡るともいわれています。すなわち、これまで当たり前にあった仕事やキャリア、さらには個人の時間の使い方や日常生活は、今後大きく形を変えていくことが予想されます。私たちの子どもをはじめとする次世代は、このような世界を生きることになります。
こうした時代においては、これまでのような学力や成績に重きを置いた教育や、安定性を重視したキャリア形成ではカバーすることができない多様な生き方が可能になり、また求められていきます。当然のことながら子どもたちは本来それぞれにまったく違う個性をもち、異なる意思をもっています。彼らが、与えられたものを受け取るだけではなく、それぞれの個性を活かして何かに夢中になり、自らの創造性を最大限に高めることが、変化が激しく予測のしづらい社会へと旅立つための備えとなると考えます。
私には2人の子どもがいます。4歳の長女は絵を描くことが好きで、毎日のようにスケッチブックに動物や家族の絵を描いています。そんなとき、しばしば「パパ、魚は何色だっけ?」、「花は何色に塗ればいいの?」と尋ねてくることがあります。そんなとき私は必ず「好きな色を塗っていい。」それだけを答えるようにしています。「これは君が始めたお絵描きなのだから、全部君が好きなようにやっていい。」そう伝えると、長女はしばらく考えたあと、数種類のクレヨンを箱から出し、魚や花の絵に奇抜な色を塗り始めます。
幼児期には、もしかしたら多くの子どもがこのような教えを受けているかもしれません。しかし、画一的な教育の過程や、横並びを良しとする学校生活を経る中で、「自由にしていい。」と言われる瞬間は次第に減っていくものではないでしょうか。
しかし、子どもたちの人生は、いってみればこれから一人ひとりが自由に描くことのできる絵と同じです。星の数ほどある仕事の中から自分の職を選んだり、生涯をともにする仲間やパートナーを選んだり、ときには何かを諦めて次の道を探したりと、人生にはいくつもの選択が訪れます。そうしたときに、自らの創造性にもとづいて自由に想像を膨らませ、自分自身の価値観で選択肢を見出せる人材であれば、それぞれが納得のいく、彩り豊かな人生を送ることができます。そのためには、世界は広く、色々な生き方があっていいということを子どもたちに伝えることが何よりも大切だと考えています。
私たちJC会員は、それぞれが社会に必要とされる尊い仕事をもっています。そして何より今の自分に至るまでの一人ひとりのストーリーをもっています。私たちがこれまでの人生の粋を集めるとともに、同じく様々な経験をもつパートナーを交え、次世代を生きる子どもたちが思い思いに発想を広げる機会をつくることができれば、創造性によって未来を自由に描くことができる次世代の育成に繋がります。
地域社会全体で子どもを育もう
日本における出生数は戦後以来ほぼ一貫して減少を続けています。2022年6月に発表された2021年度の出生数は81万1604人となり、6年連続で過去最少を記録しています。また、新型コロナウィルス拡大以降、国内の婚姻数の減少も加速しており、少子化にさらに拍車がかかるとみられています。少子化は将来の生産年齢人口の減少に直結する大きな社会課題であり、これは私たちの住む地方都市とやまにとっても、産業の担い手の確保や地域のコミュニティの維持などの点で深刻な課題であることは言うまでもありません。
とやまは子どもを産み育てやすい地域でしょうか。多世代同居が多く子育てに関わる人が多い点や、コンパクトシティ政策により基盤インフラの利便性が高い点など、子育てがしやすい利点はいくつも挙げられます。一方で、私自身も子育てをしていますが、まだまだ子どもを連れて行きづらい場所が多かったり、子どもの安全に配慮されていない施設があったりなど、改善すべき部分は多くあると認識しています。
こうした子育て環境をさらに改善していこうと、2021年に富山県および県内15市町村による「ベビーファースト宣言」が実施されました。これは公益社団法人日本青年会議所の「ベビーファースト運動」に各自治体首長が賛同し、子どもを産み育てやすい地域づくりを推進していくことを表明したものです。また、これにもとづき富山県および各自治体にて子育て支援策の強化や民間企業と連携した子育て支援サービスなど、様々な取り組みが開始されています。県内の市町村自治体がすべて「ベビーファースト宣言」を行った事例は全国で初であり、現在に至るまで「ベビーファースト運動」のモデルのひとつとなっています。この「ベビーファースト運動」は、自治体とJCさらには民間企業・団体が一体となって子育ての課題を解決するための重要なプラットフォームであり、私たち富山青年会議所としてもこの仕組みを最大限に活用し、地域の子育て環境の増進に向けてイニシアティブをとっていく必要があります。
富山青年会議所としてこれまで以上に「ベビーファースト運動」を運動・活動に取り入れることにより、青年世代の手で地域の子育て環境を具体的に良くしていく起点をつくることができます。行政や民間企業・団体とのパートナーシップをさらに推し進め「ベビーファースト運動」の先進地域となっていきましょう。子ども、子育てをする親、妊産婦が暮らしやすい地域は、すべての市民にとって暮らしやすい地域になると考えます。誰もが当たり前に子どもを大切にする地域、地域全体で子どもを育む地域をつくっていきましょう。
運動を最大化できる組織へ
新しいものを生み出すとき、新しい方法を探すときには時間の余裕が必要だと考えます。工業化の以前、人間には自由な時間がありませんでした。一日の大半を食料や水や衣服を手に入れるための作業に費やしていたためです。そのため社会の変化や経済の進歩も緩やかでした。しかしこの100年間で人間は、水やエネルギーのインフラ、家電製品、モビリティ、さらにはITなどのツールを手に入れ、時間の余剰を手に入れました。そしてこの時間の余剰が世界にさらなるイノベーションをもたらしています。
JCは70年間の歴史を誇る団体であり、会議のシステム、ガバナンス、人材育成の仕組みなど、その組織運営には優れた点が多くあります。しかしながら、時代に合わせてこれらの仕組みや運営方法は改善をし続ける必要があると考えます。JCは単年度制という点で時間が有限です。1年間という決められた活動期間の中で、会員の発展と成長の機会を最大化し、さらには会員が創造性を発揮し、地域をより良くする運動・活動の効果を最大限に高めるためには、限られた時間をどこまでも有効に活用する努力が不可欠です。ITをはじめとした、今活用できるテクノロジーやツールを積極的に取り入れ、時間を無駄にしない効率的な組織運営と運動構築をすすめていきましょう。
また、私たち富山青年会議所は公益社団法人の法人格をもつ団体として、厳格な法令の遵守と健全な財務運営を行う必要があります。会員一人ひとりが品格のある行動を心がけることはもとより、公益性と透明性をもった組織運営を常に追求し続けることが求められていることは忘れてはいけません。
人が集まり磨かれる団体に
組織が発揮できる力は、そこに所属する人の力の集合にほかなりません。それぞれに異なる個性や性格、異なる得意分野や苦手分野をもつ人たちが、多く集まり、それぞれを活かし合い、補い合うことで組織は強く、創造性が高いものになります。JCは、20歳から40歳の青年経済人という共通項を除いて、ほとんど違う人たちの集まりだといえます。こうして集まった多様な会員同士がお互いを補い合い、磨き合う過程があるからこそ、一行政や一民間企業にできないことを生み出し、それらを成し遂げる力が生まれているのではないでしょうか。近年、多様性や包摂という言葉が字面だけで尊重される向きがありますが、それの意味するところはどこまでもシンプルです。すなわち、「色んな人が集まっている方が魅力的なチームになる。」、「みんなでやった方が楽しい。」私はこれに尽きると考えています。
JCの活力と創造性は人にかかっています。より多くの青年が、富山青年会議所の一員となって活動をしてみたい、富山青年会議所で地域を良くする運動をしてみたいと思ってもらえる団体になっていかなければいけません。そのためには富山青年会議所の魅力と価値をより明確に伝えることができるブランディングと、時代にあわせた効果的な広報活動を強化していく必要があります。素晴らしい地域の青年のリーダーを生み出し続ける団体になるために、私たち会員の創造性と熱意を詰め込んだ会員拡大と組織ブランディングをすすめていきましょう。
また、外に目を向ければ日本全国さらには世界中で多くのJC会員が様々な場所で活躍しています。また、富山青年会議所には1,000名を超えるシニア会員がおり私たちの運動・活動を支えていただいています。同じ理想と志をもつ世界のJC会員、そして私たちの先人であり最大の理解者であるシニア会員との交流は、普段の仕事やプライベートでは得難い研鑽の機会であるといえます。JCという共通項をもつ先輩や仲間と積極的に関わり合い、絆を深めていきましょう。
迷わず行こう。ビジョンが形になる未来へ
人の人生には様々なステージがあります。仕事のことに手一杯の時期、家族や友人との時間が最優先の時期、周りの誰かを支えなければいけない時期など、人それぞれが人生の違ったステージにいます。とりわけ私たちJC現役会員が置かれている20歳から40歳という青年期は、色々なものを背負い始め、色々なことが起きる年代だといえます。当たり前ですが、誰一人時間やお金が無限にある人はおらず、誰もが悩みや不安を抱えながらJCの活動を行っていると思います。
しかし、私たちはみな、自らが志を立てこの富山青年会議所に所属しています。すなわち、自らが選んで「地域の青年のリーダー」を買って出ているのです。きっとそれぞれが、JCの力を信じ、JCでしかできないことがあると信じているからこそ、今この時間をともにしているはずです。40歳までという時間は極めて有限です。だからこそ、この時間の中では、思い切って色々な場所に飛び込み、ときには背伸びをし、無理だと思ったことにも果敢に挑戦していくことが大事だと考えています。その日々は決して無駄にはならず、自らの発展と成長の機会となり、私たちの人生を彩っていくはずです。そして私たちが懸命にまいた種は、これからの地域、これからを生きる人たちの時代をより良くする力となっていくはずです。
2023年度は新しい中期ビジョンに向けた夢を目一杯膨らませる1年です。私たちが中期ビジョンの目指すとやまの未来をどこまで明確に描くことができるかが、今後10年間の運動・活動の基準をつくると考えています。そのためには、私たち会員一人ひとりが自らの創造性を最大限に発揮し、中期ビジョンのあらゆる要素をひとつずつ具現化していくことが求められています。私たち一人ひとりがもっている自身のストーリー、一人ひとりがもっているそれぞれのビジョンを理想の地域の姿に重ね、富山青年会議所の運動・活動に注ぎ込みましょう。とやまの未来は私たちの未来です。
私たちの力を合わせれば、どんなことでもできます。迷うことなく、行きましょう。ビジョンが導く理想のとやまへ。そして、一人ひとりのビジョンが形になる未来へ。